ブルーカーボンとは、2009年にUNEP(国連環境計画)の報告書「Blue Carbon」で提唱された概念です。広義には海洋や海洋生態系に吸収される炭素全般を指しますが、とりわけカーボンオフセットやカーボンクレジットの文脈では、以下の沿岸もしくは浅海域の海洋生態系へ貯留される炭素もしくは生態系そのものを指します(※1)。
・海草藻場(seagrass meadows)(アマモやウミショウブ等)
・海藻藻場(seaweed, kelp forests)(ワカメやコンブ等)
・潮汐湿地・干潟(tidal wetlands, tidal marshes)(ヨシ等)
・マングローブ林(mangrove forests)(マングローブと呼称される樹種の総称)
この4種の生態系が存在する浅海域の炭素の吸収量は、陸域の吸収量の約半分に相当するとされ(※2)、気候変動の緩和策として期待されています。本稿では、上記のブルーカーボンをクレジット化した、ブルーカーボンクレジットのイニシアティブをいくつかご紹介し、企業が購入する上での注意点について取り上げます。
2024/4/26