2023年4月から男性の育児休業取得率等の公表義務がスタートします

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2023/3/1

 2023年4月より、従業員数1,000人超の企業に対して、男性の育児休業取得率等の公表が義務化されます※1。2021年の育児・介護休業法の改正により3段階に分けて施行される最後の事項であり、対象となる企業では準備を進められていると思われますが、法施行直前のこのタイミングに今一度その内容をご確認ください。

【Q&A・ご参考】
・「産後パパ育休」※6と「育児休業」は分けて計算するのですか?
⇒産後パパ育休とそれ以外の育児休業を分けて計算する必要はありません。

・1人の者が分割取得した場合や育児休業と育児目的休暇を取得した場合は2回として計算しますか?
⇒割合は、「労働者の数」で計算するため、取得回数に関わらず1人として数えます。

・事業年度をまたがって取得した場合や分割して複数の年度に取得した場合はどのように計算しますか?
⇒育児休業を開始した日の年度に取得したものとして計算します。分割取得した場合には、最初の育児休業等の取得のみを計算の対象とします。

・前年度に配偶者が出産した男性労働者が、今年度に育児休業等を取得した場合、今年度の割合が100%を超えることになりますか?
⇒上記の計算式により計算されるため、取得割合が100%を超えることがあり得ます。

 この育児休業取得率は、1度公表すれば終わりというわけではありません。毎年継続して公表する必要があり、他社と比較される機会が増えると考えられます。
 これを機に、従業員のワーク・ライフ・バランスを向上させ、ダイバーシティ経営に取り組まれることをお勧めします。

 

※1:厚生労働省資料:
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001122221.pdf

※2:常時雇用するとは、以下のような労働者が該当します。
・期間の定めなく雇用されている者
・一定の期間を定めて雇用されている者又は日々雇用される者で、その雇用期間が反復更新され、事実上期間の定めなく雇用されているものと同等と認められる者(過去1年以上引き続き雇用されている者、雇い入れから1年以上雇用されると見込まれる者)

※3:育児休業等とは、育児・介護休業法に規定する以下の休業のことをいいます。
・育児休業(産後パパ育休を含む)
・育児・介護休業法第23条第2項(3歳未満の子を育てる労働者について所定労働時間の短縮措置を講じない場合の代替措置義務)又は第24条第1項(小学校就学前の子を育てる労働者に関する努力義務)の規定に基づく措置として育児休業に関する制度に準ずる措置を講じた場合は、その措置に基づく休業

※4:育児を目的とした休暇とは、休暇の目的に「育児を目的とするもの」であることが就業規則等で明らかにされている休暇制度であり、育児休業や子の看護休暇など法定の制度を除きます。

※5:両立支援のひろば:https://ryouritsu.mhlw.go.jp/

※6:産後パパ育休:2022年10月より開始した主に男性向けの新たな育児休業制度であり、子の出生後8週以内に、4週を限度として取得できる育児休業制度です。2回に分割して取得できるなど、柔軟な取得が可能となっています。

 

執筆コンサルタントプロフィール

関本 高史
製品安全・環境本部 主席研究員

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