飲食店における持ち帰り・宅配食品の食中毒防止に向けて ~新型コロナ禍で求められる食中毒防止対策~

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2020/6/15

 新型コロナウイルス感染症拡大による飲食店の営業自粛および消費者の外出自粛の影響で、中食(※1)向けのテイクアウト(持ち帰り)やデリバリー(宅配)を始める飲食店が増えています。自粛解除後も「新しい生活様式(※2)」によって、飲食店による中食向けのサービスは今後も継続・拡大されることが考えられます。
 持ち帰りや宅配については、店内での食事の提供と比較して調理から飲食までに時間がかかるため、これからの季節は気温や湿度の上昇により食中毒のリスクがさらに高まります。
 ここでは、食中毒防止に向けたポイントをご説明します。

■食中毒予防の3原則の徹底
 持ち帰りや宅配向けの食品は、店内で提供する食品よりも衛生管理に注意することが重要です。食中毒予防においては3原則である、食中毒菌を「つけない」「ふやさない」「やっつける」を徹底することが求められます。それぞれ食中毒予防の具体的な取組を以下にご説明します。

 

■お持ち帰り・宅配の営業許可について
 メニューにない食品や店内メニューでも販売の方法・規模によっては新たな許可が必要になる場合もあります。不明な点がある場合には、最寄りの保健所にお問い合わせください。

 以前のコラムで述べたとおり、平成30年6月に15年ぶりに食品衛生法が改正され、全ての食品等事業者で「HACCPに沿った衛生管理」が義務化されることになりました(※4)。これにより飲食店は、衛生管理計画を作成し、実施する義務を負うことになります。 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理に取り組むことで、食中毒防止に向けた取組を推進することが望まれます。

 

(※1) 中食とは、惣菜店やコンビニエンスストア・スーパーなどでお弁当や惣菜等を購入したり、外食店のデリバリーなどを利用したりして、家庭外で商業的に調理・加工されたものを購入して食べる形態の食事をさします。(厚生労働省ホームページ「e-ヘルスネット」より)

(※2) 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました(厚生労働省ホームページ)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html

(※3) テイクアウトや宅配を始める飲食店の皆さんへ(「食品衛生の窓」東京都福祉保健局) https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kyoka/takeout.html

(※4) 「HACCP の考え方を取り入れた衛生管理」については、2020年6月1日より施行されましたが、1年間の経過措置期間が設けられています。(令和元年10月9日政令第121号)

 

執筆コンサルタントプロフィール

加藤 陽介
製品安全・環境本部 エキスパートコンサルタント

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