改正航空法が12月5日に施行されます(レベル4飛行の解禁)

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2022/11/7

 2021年6月11日に公布された航空法等の一部を改正する法律(以下「改正航空法」)の本年12月5日の施行により、ドローン等の無人航空機の機体認証制度、操縦ライセンス制度等が創設され、無人航空機の有人地帯における補助者なし目視外飛行(いわゆるレベル4飛行。以下「レベル4飛行」)が可能となります。本稿では、改正航空法に基づく新たな飛行規制の概要をあらためて確認します。

1.無人航空機の新たな飛行規制
 現行規制の下では、無人航空機の一定の空域(空港周辺、高度150m以上、人口密集地域上空)での飛行または一定の飛行方法(夜間飛行、目視外飛行等)による飛行(以下併せて「特定飛行」)を行う場合、飛行ごとに国土交通大臣の許可・承認が必要です(ただし、第三者上空での補助者なし特定飛行は不可)。
 これに対し、改正航空法による新たな規制の下では、特定飛行については、機体認証(2.参照)、操縦ライセンス(3.参照)の取得、運航ルール(4.参照)の遵守を前提として、まず、現行法では不可とされている第三者上空(有人地帯)での補助者なし特定飛行(いわゆるカテゴリーⅢ飛行。レベル4飛行を含む)が、飛行ごとの許可・承認により可能となります。また、第三者上空以外での特定飛行については、手続きの合理化・簡略化が図られ、原則として飛行ごとの許可・承認が不要となります。

2.機体認証制度の創設
 無人航空機が、強度・構造・性能に関する安全基準に適合するかを設計、製造過程および現状について検査する、機体認証制度が創設されます。機体認証には第一種、第二種の2種類があり、レベル4飛行を行うためには第一種機体認証の取得が必要となります。

3.操縦ライセンス制度の創設
 無人航空機を飛行させるために必要な知識・能力を操縦士が有することを証明する制度(以下「操縦ライセンス」)が創設されます。操縦ライセンスには一等、二等の2種類があり、レベル4飛行を行うためには一等ライセンスの取得が必要となります。

4.運航ルール(運航管理要件)
 基本的な安全確保を目的として、レベル4飛行とレベル1~3の飛行のいずれにも求める共通運航ルールが創設され、レベル4飛行については個別に運航管理体制の確認・審査が行われることとなります。
 共通運航ルールとしては、飛行計画の通報、飛行日誌の作成、事故時の危険防止措置(負傷者の救護等)、事故の報告等があります。

 

 レベル4飛行に必要となる運航管理体制に関しては、基本的な安全確保の措置内容に加え、運航形態に応じた安全対策(リスク評価の実施、評価結果に基づくリスク軽減策の実施等)が確認される見込みであり、今後、リスク評価ガイドラインが公表される予定です。
 事業活動においてドローン等の運航を行う事業者は、運航管理体制を整備するとともに、適切なリスク評価・リスク軽減策を実施することが求められます。

執筆コンサルタントプロフィール

栁瀨 慶朗
製品安全・環境本部 主席研究員/プロジェクトマネージャー

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