リコール進捗率向上に向けた事業者の実態と取組事例の紹介」が公表されました

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2022/5/2

 2022年3月、経済産業省がリコール実施事業者のリコール進捗率※1向上の参考にしてもらうことを目的として「リコール進捗率向上に向けた事業者の実態と取組事例の紹介」※2(以下、本資料)を策定・公表しました。本資料では、リコール進捗率が一定以上の事業者へのアンケートやヒアリング等の結果をもとに、実際の取組内容や実態を紹介しています。また、本資料の項目によっては、同省が2019年度に発行した「リコールハンドブック2019」※3と関連する箇所(ページ)の紹介があり、二つの資料をあわせて読むことで、より一層の理解が期待されます

 本コラムでは、本資料をもとに、適切にリコールを実施するため平時から備えておくことが望ましいと考えられる「リコール実施に備え準備していること」に関する調査結果をご紹介します。

 リコール進捗率が一定以上の事業者に対する調査結果(上図)から、63%の企業が社内規定を策定していることがわかります。また、リコール実施判断基準などを策定している企業があることも確認できます。対して、特段準備をしていない企業は8%にとどまっています。
 本調査結果に関連し、具体的な準備内容を企業へヒアリングした結果も紹介されており、例えば、「ガイドラインやチェックリストの策定」や「ToDoリストや責任者の明確化」、「自主行動計画の策定」を実施した事例が掲載されています。

 本資料では他にも、「リコールの周知方法と進捗率」や「リコール費用の確保」等のリコール実施時に参考になる情報も紹介されています。リスクマネジメントの観点から、自社製品においてリコールが発生する可能性があるとの想定の下、この機会に本資料に目を通したうえで、平時から準備し、いざという時に備えておくことをお勧めします。

※1:本資料では「リコール実施数(消費者の保有する製品の交換、改修(点検、修理、部品の交換等)又は引取り)に対し、リコール対象数(販売・出荷数)を除したもの。」と定義されている。

※2:次のURLで公表されている。https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/system/jireisyuu2022.pdf

※3:次のURLで公表されている。https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/recalltorikumi.html

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執筆コンサルタントプロフィール

飯野 晶
製品安全・環境本部 主任研究員

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