企業のハラスメント防止対策が義務化・強化されました~2020年6月1日改正法施行~

  • 人的資本・健康経営・人事労務
  • コンプライアンス

2020/6/1

 2020年6月1日に、昨年成立した労働施策総合推進法の改正法が施行され、パワーハラスメント(以下、パワハラ)の防止対策は、企業にとっての義務となりました(※1)。また、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法も改正され、セクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)や妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(以下、マタハラ等)の防止対策の強化も必要になりました。
 今後各種ハラスメントの防止対策は、企業が必ず実施しなければならない雇用管理上の措置となりますが、そのポイントをご紹介します。

■パワハラ、セクハラ、マタハラ等防止のために企業が雇用管理上講ずべき措置とは?
 それぞれのハラスメントの防止のために講ずべき措置として共通する点を、下表に整理しました。

 より具体的な内容は以下のURLに記載されている各種指針(例えば、パワハラに関しては、令和2年1月15日に告示された「パワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等について定めた指針」)をご参照ください。

 厚生労働省HP(職場におけるハラスメントの防止のために)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

 (ハラスメントに該当する行為に関する参考資料)厚生労働省HP(職場におけるハラスメントの防止のために)
 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/pdf/harassment_sisin_baltusui.pdf
 https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000559314.pdf

 なお、これらの防止対策措置に関して厚生労働省が必要と判断した場合には、企業の対応について助言、指導又は勧告を行うことがあり、企業がその勧告に従わない場合には、その旨公表される点についても留意が必要です。

 

■企業のハラスメント防止対策を、より実効的なものにするために
 改正法は、企業に対し上記①~③の取組を義務付けるものですが、各取組を進めていく上で、以下のような従業員視点での問題・課題が、運用推進上の障壁になることも考えられます。
・①であれば周知・啓発を受ける従業員側の認識・理解不足
・②であれば相談体制の周知不足・利用のしにくさ
・③であれば対応に対する不満 等
 今回の改正法により、企業は自社のルール・仕組みづくりを一層強化していくことと思われますが、ルール・仕組みづくりのみで終わることにならないよう、従業員側の意識・認識についても定期的に実態を把握することをお勧めいたします。

 

 

※1 厚生労働省「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました︕」
https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/pdf/pawahara_gimu.pdf

 

執筆コンサルタントプロフィール

山下 幸樹
製品安全・環境本部 マネージャー

コンサルタントの詳細

コンサルタント紹介を見る

メールマガジンを申し込む

コラムトップへ戻る