CDP2022のスコアリングメソドロジーが公表されました
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2022/4/1
CDP(※1)の2022年質問書について、スコアリングメソドロジーが公表されました。気候変動プログラムにおける、全てのセクターに共通する既存の設問の評価基準に関して、2021年に比べて厳格化された設問の一部を下表にまとめました(A:認識レベル、M:マネジメントレベル、L:リーダーシップレベル、ローマ数字は各レベルにおける評価基準の番号)。
2022年の気候変動質問書では、新たに生物多様性に関する設問が導入されたこと(ただし、2022年の回答では採点対象外のため全体のスコアへの影響はなし)が特徴です。また、金融セクター向けには、生物多様性に加えて新たに森林・水に関する設問が導入されました(森林のスコアは回答企業のみに開示、水は採点対象外となり、全体のスコアへの影響はなし)。
企業におかれましては、CDPウェブサイトより最新のスコアリングメソドロジーやレポーティングガイダンスなどを参照して、回答期限(2022年7月27日の予定)に向けて社内データを収集し、回答作成を進めることが望まれます。CDPの最新動向については2022年3月22日発行のTOKIO GX Journal「企業の気候変動対応:SBT、CDPの最新動向について」もご参照ください
※1 CDP:企業等に対して、気候変動、水、森林に関する対応状況について質問書で回答を求め、回答結果に対して評価を与える非政府組織。発足当時は「Carbon Disclosure Project」が正式名称だったが、2013年に略称であった「CDP」を正式名称としている。
※2 SBT:科学的根拠に基づく目標(Science-Based Targets)のこと。企業が設定する、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5℃に押さえることを目標とする、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出量削減目標。
※3 SBTi: SBTイニシアティブのこと。企業が提出した温室効果ガス排出量削減目標がSBTであるかを評価・認定する、CDP、WWF、WRI(世界資源研究所)、国連グローバル・コンパクトによる共同イニシアティブ。
執筆コンサルタントプロフィール
- 佐藤 美沙紀
- 製品安全・環境本部 主任研究員