配線器具による事故に注意

  • 製品・サービス
  • 火災・爆発

2021/2/9

 延長コード・テーブルタップなどの配線器具や電化製品の電源プラグ・コードによる事故が毎年発生しています。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)によると、2015年度から2019年度の5年間にNITEに通知のあった製品事故情報では、配線器具の事故は282件(内:火災事故164件)、電源プラグ・コードの事故は276件(内:火災事故155件)で、事故全体の約6割が火災事故となっています。また、上記の事故の中には、リコール対象製品による事故も多く発生(配線器具の事故:93件、電源プラグ・コードの事故:93件)しています。

 上記の配線器具および電源プラグ・コードによる事故のうち、使い方や設置状況により発生したと推定される火災事故の主な発生状況、および気を付けるべきポイントは以下のとおりです。

【火災事故事例A】
 ほこり、水分の付着や液体などの浸入により電源タップ・コンセント・電源プラグでトラッキング現象※1が発生して異常発熱
◆気を付けるべきポイント◆
➢電源プラグはしっかり差し込む。
➢電源プラグや差込口などに水分やほこりがたまっていないかを確認し、定期的に掃除する。
➢テーブルタップやコンセントと、電源プラグの接続部分に水分が付着しないよう注意する。なお、掃除の際にアルコール消毒液を使用する場合は、接続部分にかからないように注意する。

【火災事故事例B】
 電源コードやコードプロテクターに無理な力が加わり、断線してショート
◆気を付けるべきポイント◆
➢電源コードは傷つけず、無理な力を加えない。

【火災事故事例C】
 テーブルタップに接続可能な最大消費電力を超える電気製品を接続して異常発熱
◆気を付けるべきポイント◆
➢接続可能な最大消費電力を超えて使用しない。
➢消費電力の大きな機器は、テーブルタップなどが使用可能か確認する。
➢複数の延長コードやテーブルタップを連結(たこ足配線)しない。

 新型コロナウィルスを想定した「新しい生活様式」の中では、在宅勤務を行うためなど、自宅ではテーブルタップなどの需要が増えており、配線器具の損傷事故などは増加するおそれがあります。
 事故を未然に防ぐために、定期的に配線器具や配線状況を点検し、以下のような事故発生の予兆がみられる場合には、製品の使用を中止することが望まれます。

  ➢異臭がする。
  ➢差込口が変色している。
  ➢電源プラグが変形している。
  ➢接続している電化製品の挙動に異常が生じることがある。 等

 また、リコール対象製品による事故も発生しているため、お手持ちの製品がリコール対象かどうかも、例えば、消費者庁のリコール情報サイト※2において検索ができますので、あわせて確認することをおすすめします。

※1 付着したほこりや水分により電気の通り道が生成され、異常発熱する現象
※2 https://www.recall.caa.go.jp/index.php

執筆コンサルタントプロフィール

丸茂 耕太
製品安全・環境本部 エキスパートコンサルタント

コンサルタント紹介を見る

メールマガジンを申し込む

コラムトップへ戻る