製品事故発生時の企業の損失
- 製品・サービス
2018/10/1
万が一製品に関わる事故が発生した場合に、その製品を製造した企業に生じうる損害について考えてみましょう。
損害は、大きく直接損害と間接損害に分けて考えることができます。直接損害とは、具体的な金銭の形で損失となるもの、間接費用は、金銭の形を取らないが企業にとって損失となるものと定義します。
直接損害としては、被害者への賠償金や訴訟に係わる弁護士費用、欠陥製品の設計変更等に係わる費用が挙げられるほか、事故の原因調査費用や、製品のリコール等に係わる費用などが発生します。大規模な事故の場合、これらの費用だけで数億、数十億に至る場合もあります。
間接損害としては、第一にブランドイメージの低下が挙げられます。これが、製品事故に関わる企業の損失の中で、最も大きいものといっても過言ではありません。他にも、事故への対応に経営層や開発担当エンジニアが巻き込まれることにより新製品の開発が遅れるなど、企業活動が阻害される損失もあります。
製品事故が発生した後、損失の拡大を抑えるための対策は重要ですが、やはり、事故による損失を最も効果的に極小化するには、事故が発生しないような製品を作りこむ活動である製品安全活動が最も重要となります。
執筆コンサルタントプロフィール
- 宇田川 将生
- 製品安全・環境本部 上席チーフコンサルタント