ワーク・ライフ・バランス支援見直しのすすめ

  • 人的資本・健康経営・人事労務

2024/3/19

 企業における仕事と子育ての両立支援については、女性だけでなく、「男女ともに仕事と子育てを両立できる職場」を目指すことが求められています。2023年に公表された雇用均等基本調査 では、男性の育児休業取得率は17.13%と過去最高であったものの、政府目標である「2025年度に50%、2030年度に85%」までには乖離があり、仕事と子育ての両立支援については、引き続き企業の取組が求められる分野と考えられます。

 2024年1月に厚生労働省の労働政策審議会にて、育児・介護休業法や次世代育成支援対策推進法の改正案 がまとめられ、第213回通常国会に提出される見通しです。改正案では、子どもが3歳になるまでのテレワークを努力義務とするほか、3歳から小学校就学までの子を持つ労働者に対し、残業免除(現行では子が3歳になるまで)や、始業時刻等の変更やテレワーク、新たな休暇の付与等の中から、2つ以上の柔軟な働き方を実現するための措置が義務付けられます。そのほか、一般事業主行動計画における数値目標の設定、くるみん認定のさらなる基準引き上げ等が盛り込まれており、企業には対応が求められる見込みです。

出典:第67回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(参考資料1-3)仕事と育児・介護の両立支援対策の充実について(建議)概要から抜粋

 

 子育て中の当事者に対する法改正対応に加え、育休取得者が不在の間の組織運営や子育て以外の理由での両立支援等、従業員のワーク・ライフ・バランス実現のために企業に求められることは多様化しています。また、社会の変化にともない、ライフスタイルや子育てに関する考え方も変わってきており、従業員がどんな支援を求めているかを改めて把握することも必要です。

 早期から従業員のワーク・ライフ・バランス実現に取り組み、制度導入や取組開始から数年経過している先進企業の皆様こそ、近年の動向を踏まえ、今一度見直してみてはいかがでしょうか。

執筆コンサルタントプロフィール

柳川 美保
製品安全・環境本部 サステナビリティユニット 上級主任研究員

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