ネイチャーポジティブ経営支援(TNFD対応支援)

2022年12月、生物多様性条約締約国会議(COP15)において、ポスト2020生物多様性枠組が採択され、2030年のグローバルミッションとして、自然資本や生物多様性の減少をプラスに回復させる、ネイチャーポジティブの行動をとることが示されました。自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)はこの動きをサポートするものとして、2023年9月に、自然関連のリスク管理と情報開示に関するフレームワークについて最終提言を公表しました。
本サービスは、TNFDが開発した自然関連課題(依存・インパクト・リスク・機会)の評価のための統合的な手法であるLEAPアプローチ※に則って、事業活動と自然資本・生物多様性の関係性の整理、自然資本・生物多様性への依存・インパクト、およびリスク・機会の評価を行い、自然関連のリスクとインパクトの管理と情報開示に向けたご支援を実施します。

  • LEAPアプローチ:「Locate(自然との接点の発見)」「Evaluate(依存とインパクトの診断)」「Assess(重要なリスクと機会の評価)」「Prepare(対応し報告するための準備)」による分析アプローチ。

以下のようにお考えのお客様のためのコンサルティングサービスです。

  • 自然資本・生物多様性と自社の事業活動との係わりについて、どのように分析・評価したらよいか分からない。
  • 事業活動と自然資本・生物多様性の係わりについて重要なリスクと機会の評価を行い、自社の事業戦略やリスク管理に反映させたい。
  • TNFD提言に賛同したいが、何から着手すればよいか分からない。
  • TCFDと統合した形でTNFDに対応した情報開示を行いたい。
  • ネイチャーポジティブを標榜し、サステナビリティ経営を更に深化させたい。

コンサルティング内容

具体的なご支援内容

TNFDのLEAPアプローチに則って自然関連課題の評価・情報開示を実施します。下記の簡易版やオプションと併せ、自然関連課題に対する貴社の対応目的、取組・開示状況、マテリアリティ等に応じて、オーダーメードに最適なサービスメニューをご提案いたします。

  1. Scoping:自然関連課題の全体像の把握

    • 評価対象となる貴社事業活動における自然資本・生物多様性への依存・インパクトの重要度を、生態系サービス・インパクト要因の項目ごとに整理します。
    • 公開情報等を踏まえ、貴社セクターにおいて想定されるリスク・機会の全体像を整理します。
  2. Locate:対象地域の優先度の分析・評価

    • 優先地域選定のためのセンシティブロケーションやマテリアルロケーションに関する指標値を算出します。
    • 指標値を評価し、評価対象拠点のうち優先的に分析・対応すべき地域(拠点)をご提案します。
  3. Evaluate:自然への依存・インパクトの分析・評価

    • 貴社拠点情報を踏まえ、各優先地域における自然との接点(取水源、排水先等)を把握し、測定指標を整理します。
    • 依存経路・インパクト経路を検討し、優先地域における自然への依存・インパクトを評価します。
  4. Assess:自然関連リスク・機会の洗い出し・評価

    • 自然資本・生物多様性への依存・インパクト評価結果より、自然関連のリスク・機会を特定します。
    • 貴社と協議の上、複数の将来シナリオを設定し、シナリオごとにリスク・機会の財務影響度等を評価します。
  5. Prepare: TNFD開示案の作成、今後の取組に対する方向性のご提案

    • TNFDの開示推奨項目等に沿って、開示の範囲・構成を決定し、開示案の作成をご支援します。
    • 開示推奨項目ごとの貴社の対応状況や他社の開示動向を整理し、TNFD対応に関する今後の方向性についてご提案します。

スモールスタートをご希望のお客様に対しては、簡易的なサービスメニューをご提案します。価格を抑えた形での短期間のご支援が可能です。

LEAPアプローチ項目 実施項目 通常版 簡易版
Scoping
(スコーピング)
自然関連課題の全体像の把握 自然との依存・インパクト関係の整理
想定される自然関連リスク・機会の整理 -
Locate
(発見)
対象地域の優先度の分析・評価 優先地域選定のための指標値の算出
算出値の評価・解釈 -
Evaluate
(診断)
自然への依存・インパクトの分析・評価 公開情報の調査を通じた自然への依存・インパクトの分析・評価
拠点情報の把握・反映、測定指標の整理 -
Assess
(評価)
自然関連リスク・機会の洗い出し・評価 自然関連リスク・機会の洗い出し
自然関連リスク・機会の評価 -
Prepare
(準備)
TNFD開示案の作成、今後の取組に対する方向性のご提案 TNFD開示案の作成
今後の取組に対する方向性のご提案 -

○:対応項目

オプション

勉強会の実施

TNFD対応に関する社内理解の促進等を目的に、貴社のご要望に応じた資料を作成し、貴社関係部署に対して勉強会を実施します。

TCFDとの統合開示支援

TCFDとTNFDを統合させた開示案を作成します。

CDP回答に対するアドバイザリー支援

CDPのスコアアップ・維持を目的に、TNFDに関連するCDP設問への回答についてアドバイザリーを実施します。

ネイチャーポジティブ戦略策定支援

TNFDのLEAPアプローチに基づく分析・評価を実施した上で、企業価値向上と自然保全の両立を目指す「ネイチャーポジティブ戦略」の策定をご支援します。自然関連リスクの低減だけでなく、新たなビジネス機会の創出まで視野に入れた包括的な戦略立案をサポートします。

関連サービス

CDP回答支援

CDPスコアアップ・維持を目的に、CDPの設問に対するレクチャーや回答レビューを実施します。

人権リスク対応支援

TNFDの開示推奨項目にて求められている、人権方針の策定やステークホルダーエンゲージメントの実施等をご支援します。

コンサルティングの特徴と実施体制

豊富な実績と統合的アプローチ

サステナビリティ分野のコンサルティングの豊富な実績を活かし、TNFDとTCFD開示の整合性を確保した統合的なアプローチを提供いたします。自然関連課題を単独で捉えるのではなく、気候変動や人権など関連する課題との相互関係を考慮したうえで、包括的な解決策をご提案いたします。

投資家視点での開示支援

CDPスコアリングパートナー(2018~2023年)としての実務経験やESG外部評価支援業務の経験を活かし、評価機関や投資家が重視する要素を熟知した専門家チームが、効果的な情報開示戦略の立案から具体的な開示文案の作成までを一貫してサポートします。

専門家ネットワークとの連携

事業拠点周辺の詳細な調査が必要な場合などは、各フィールドを得意・専門とするパートナー企業と連携して実施いたします。生物多様性調査の専門家、地域特性に精通したコンサルタント、データ分析の専門家など、プロジェクトの要件に応じて最適な実施体制を構築します。

パートナー企業 生物情報データ収集・分析・データベース運営事業者 環境コンサルティング事業者 測量事業者など 保有技術 リモートセンシング技術 地理空間情報解析技術 画像AI分析技術 環境計測技術など フィールド 陸域 海域 淡水域

弊社は、TNFDの理念に賛同し、TNFDフォーラムに参画しています。
TNFDフォーラムへの参画を通じて得られる知見や経験を本サービスに反映し、最新かつ実践的なソリューションを提供することで、貴社のネイチャーポジティブ経営の実現に貢献いたします。

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