外部ビッグデータを活用したサプライチェーンリスク評価に関する研究
概要
サプライチェーンは企業の経済活動の基盤です。グローバル化が進む昨今、企業が効率的な調達・生産・物流ネットワークを構築することで競争優位性を確保し、収益を向上させることの重要性は一層高まっています。しかし同時に、広範かつ複雑化したサプライチェーンは、自然災害などの外的要因によるショック(負の経済的影響)を波及させるリスクを抱えています。こうしたショックの波及影響を定量的に把握することは、自然災害などの有事におけるリスク最小化という点で、企業にとって非常に重要な課題です。そこで本研究では、企業のグローバルな取引関係を収録した、広く一般に利用可能な商用データベースを用い、最新の深層学習アーキテクチャや大規模言語モデルを含む先端的なAI技術により、ショックの波及影響を評価する手法の確立を目指しています。
本プロジェクトでは、国立情報学研究所との共同研究体制の下、サプライチェーンに関する外部ビッグデータの活用を基盤として、企業のリスク実態の把握やより先進的なリスク評価手法の開発に繋げるための研究活動を行い、その成果を公表します。
実施期間
2018年5月~
実施体制
- 佐藤 遼次(東京海上ディーアール 企業財産本部 リスクソリューションユニット 兼 データビジネス創発ユニット 主任研究員)
- 矢野 良輔(同 企業財産本部 データビジネス創発ユニット 上級主任研究員)
- 工藤 智宏(同 企業財産本部 データビジネス創発ユニット ユニットリーダー)
- 佐藤 一郎(同 企業財産本部 本部長)
- 水野 貴之(国立情報学研究所 情報社会相関研究系 准教授)
成果物(査読論文)
| 掲載日 | タイトル | ジャーナル名 |
|---|---|---|
| 査読中(2025年9月時点) | Estimation of Transaction Values in Firm-Level Supply Networks using a Hybrid GNN-LightGBM Approach | Applied Network Science |
| 2022年10月1日 | Propagation of Shocks in Individual Firms Through Supplier-Customer Relationships |
The Review of Socionetwork Strategies |
成果物(コラム等)
- 「サプライチェーンリスクを予測AIで可視化」第103号 - NII Today / 国立情報学研究所

- 企業の取引関係を介したショックの波及とは?~データで迫るサプライチェーンリスク②~(2024年3月18日)
- 企業の取引関係を介したショックの波及とは?~データで迫るサプライチェーンリスク①~(2024年3月18日)
取組み・活動履歴
| 年度 | 研究内容 | 要旨 | 発表 |
|---|---|---|---|
| 2023~2024 | グラフニューラルネットワークを用いた企業間取引額の推定 |
|
計算社会科学会、ネットワーク生態学研究会、人工知能学会、Applied Network Science (Springer Nature) |
| 2021~2022 | 取引企業間を介した経済的ショックの波及の大きさの定量評価 |
|
The Review of Socionetwork Strategies (Springer Nature) |
| 2019~2020 | 企業のパフォーマンス低下が取引先企業に波及することの確認 |
|
NetSciX、人工知能学会、計算社会科学ワークショップ |
| 2018~2019 | 火災事故が被災企業に及ぼす経済的影響の評価 |
|
数理社会学会、人工知能学会 |
関連リンク
- 国立情報学研究所 水野研究室(ウェブサイト
)
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