キャリア形成について
キャリアインタビュー

Career

研究者とコンサルタント。
双方の知見を武器に、社会に貢献する。

企業財産本部 主任研究員

安嶋 大稀Daiki Ajima

2019年入社

※所属・役職は取材当時の情報です

PROFILE

大学院では土木工学の研究室で水災害に関わるシミュレーションの研究を行う。研究者の道も検討するが、研究と実社会を橋渡しする仕事がしたいと考え、自然災害の研究を生かせる東京海上ディーアールへの入社を決める。現在は自然災害によって生じる損害を算定する自然災害リスクモデルの開発やリスク分析のほか、大学との共同研究にも携わっている。

研究と実社会を
橋渡しする仕事を求めて

私が東京海上ディーアールへの入社を決意した理由は、自然災害に関する研究を実社会で生かしたいと考えたからです。特に学部時代に東日本大震災の復興ボランティアに参加した経験が大きく、研究と実社会とのギャップを埋め、両者を橋渡しする仕事がしたいと考えていました。
しかし、当社に入社するまでは、具体的な業務や保険・リスクがどのように自然災害と関連しているのか、しっかりとイメージできていたわけではありません。また、実社会を知ろうという志向は持っていたものの、やはり当初は研究者としての考え方が強く、研究者目線では荒く見える推定をしたり、判然としない状態で何らかの決定を下したりすることには多少の抵抗感がありました。
ですが、コンサルタントとしての業務を通じることで、そのような推定や決定の必要性が徐々に腑に落ちていきました。入社1年目は覚えることだらけで精一杯でしたが、入社2年目になって業務の全体像を理解できるようになってくると、どのレベルの推定や決定なら許容できるのか、現実的な判断ができるようになってきました。加えて、保険やリスクという観点から自然災害を見ることで、学生時代よりも広い視野で社会を見られるようになりました。

仕事風景

異分野であっても、
水災害の専門家として知見を広げた

入社1年目の終わり頃から、自然災害リスクモデル開発プロジェクトの中で、洪水に関わるパートを少しずつ任されるようになりました。この業務では水災害に関わる幅広い知見が必要とされますが、研究ではそのうちごく限られた領域しか扱ってきませんでした。私からするとまったくの異分野ですが、お客様からすれば「水災害」という点では同じです。私が水災害全般に詳しいという前提でさまざまな業務や質問を投じられ、その都度、必死に調べながら対応していくという経験を積みました。
振り返れば、これはコンサルタントとしての典型的な成長プロセスであり、まだ知らないことでも調べて対応できるようになったことは自身の大きな強みになったと思います。実際、2年目には、それまで解決が難しかった技術的課題を引き継ぎ、お客様も納得できる方法を導くことができました。また、こうした試行錯誤の結果として、水災害を俯瞰できるようになり、社内外において「水災害全般に詳しい人材」として認知されはじめていることも、キャリアの面で大きな転機でした。

仕事風景

博士課程の経験は、
東京海上ディーアールで武器になる

私の入社理由でもある通り、学術界と実社会の双方の知見に触れ、両者の橋渡しができる点が東京海上ディーアールの魅力です。私自身、民間企業ではやりたいテーマに取り組めず、独創性を発揮できなくなるのではと懸念していました。しかし、当社では私が望んでいた自然災害の研究開発ができ、実社会ともつながりながら、気候変動などの変わりゆく世の中に応じた最新の知見を常に収集できています。私は気候変動下における洪水リスクの評価について大学との共同研究も担当しており、まさしく研究者とコンサルタントの双方の知見を生かした仕事ができています。博士課程を修了した身としては、もっと多くの博士課程経験者に当社を知ってほしいですね。
私は今の自分の立場を、半分研究者、半分コンサルタントだと考えており、バランス感覚を発揮しながら社会を関わっていけるのは、私独自の強みであると思っています。現在、開発や研究に近い仕事に携われていることはありがたいのですが、将来的には個別のお客様のリスク評価など、より現場に近い経験も積んでいきたいです。現場の知見も得ることで今以上に視野を広げ、社会に対してどのような貢献ができるか考えていきたいと思います。

仕事風景